月別アーカイブ: 8月 2014

強迫性障害とは?

「強迫性障害」は、不合理な行為や思考を自分の意に反して反復してしまう精神疾患。意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを「強迫観念」、ある行為をせずにいられないことを「強迫行為」と呼びます。

手を何度も洗わずにはいられない、戸締まりを何度も確認しなくては気がすまないなど、誰でも経験する行動ですが、それが習慣的かつエスカレートして生活に支障をきたすほどの状態が強迫性障害です。そして、患者は自分の不快な考えについて「こだわりすぎだ」と思うものの、こだわらずにいられないことが特徴です。

以前は、強迫神経症と呼ばれていましたが、「神経症」という概念が世界的に使用されなくなり、強迫性障害と呼ばれるようになりました。強迫性障害は英語で「Obsessive Compulsive Disorder」というため、その頭文字をとって「OCD」と言われています。

こころの病気であることに気づかない人も多いですが、治療によって改善する病気です。「しないではいられない」「考えずにいらない」ことで、つらくなっていたり不便を感じるときは、専門医に相談しましょう。

解離性障害とは?

解離性障害とは、通常ではまとまっている自己(思考・記憶・感情・行動)がバラバラになってしまっている状態を指します。

具体的には次のような症状がみられます。
・記憶が曖昧になる又は思い出せない
・自分の体じゃないような感じがする
・自分を客観的に又は後部上方から見ている自分がいるように感じる(離人感)
・自分の中に他に何人か別人格がいる
・自分を罵倒する声が頭の中に響く
・知らない間にリストカット等のケガをしていたり、薬を多量服薬(オーバードーズ・OD)してしまうことがある
・時間の流れを感じられない
・まとまった時間の感覚がない
・楽しいことをしている筈なのに楽しいと感じられない
・ストレスがかかっていることを感じられない

解離自体は身体に備わった機能の一つで、危険な状態に陥ったときに、苦痛を最小限に抑えるために発揮される能力です。自然界では、草食動物が肉食動物に捕まる時、草食動物は痛みを感じないのだそうです。解離を起こし、噛まれる痛み、食べられる恐怖を感じないようになるそうです。難を逃れると、身を震わせて解離状態を解き、またそれまでの生活に戻っていきます。

ところが、この切り替えがうまく出来なくなり、生活に支障を来たすようになってしまうと解離性障害という“病気”になります。

不眠症ってどんな病気?

日本では、一般成人のうち約21%が不眠に悩んでおり、約15%が日中の眠気を自覚しているとの調査結果があります。こうしてみると、成人の5人に1人、つまり1500万~2000万人の人が不眠に悩んでいると推計されます。

背景には、人口の高齢化、ライフスタイルの多様化、24時間社会における生活リズムの乱れ、ストレスなどがあるのかもしれません。

代表的な不眠の症状

入眠障害
布団に入ってもなかなか寝つけないタイプ。不眠の中ではもっとも訴えの多い症状。
中途覚醒
夜中に何度も目が覚めてしまい再び寝つくのが難しいタイプ。
熟眠障害
睡眠時間の割には、朝起きたときにぐっすり眠った感じがしないタイプ。
早朝覚醒
朝早く目覚めてしまい、まだ眠りたいのに眠れなくなってしまうタイプ。高齢者に多いのが特徴。

睡眠障害の原因は人によって様々です。生活習慣を見直すだけで大丈夫な場合や、医師による治療が必要になる場合もあります。

双極性障害のお薬は?/補助的に用いるお薬は?

双極性障害の治療で重視されることは、躁うつ状態からの回復だけではありません。再発を繰り返すごとにそのスパンが短期間になり、悪化しやすいというリスクがあるため、再発を予防することが最も重要な治療となります。

主に「薬物療法」と「精神療法」を組み合わせての治療となります。以下に薬物療法に使用する薬を列挙します。

・気分安定薬
双極性障害治療の中心となる薬。躁やうつなどの気分の波を小さく安定させるために使う薬で、再発予防にも効果がある。治療開始から使われることが多いが、妄想を伴うなど症状が重症になってきた場合は、抗精神病薬を追加したりする。

・抗精神病薬
「躁」のいらいらをしずめ、気持ちを穏やかにする作用や、睡眠を助ける働きがあるものもある。特に新しい世代の抗精神病薬は、海外では再発予防効果や抗うつ効果があるとの報告もあり、欧米では双極性障害の薬として認められている。

・抗うつ薬
単極性うつ病で用いる抗うつ薬は、双極性障害の場合、「うつ」の症状から「躁」の症状へと躁転させる可能性もあるため、基本的に用いない。ただし、重症の「うつ」がある場合は、気分安定薬と抗うつ薬を併用することもある。

・睡眠薬
不眠がある場合に用いる。寝つきが悪い、朝早く目覚めるなどの症状に合わせて、それに合った薬を使う。急にやめると眠れなくなることが多いため、やめるときはすこしずつやめなければならない。

双極性障害は再発の可能性が高く、症状が良くなってからも、しばらくは薬を飲み続ける必要があります。処方された薬は、自分の判断で量を減らしたり、やめたりせず、必ず主治医に相談しましょう。

双極性障害が発症しやすい年齢は?/男女差はあるの?

双極性障害の発症は主に20代前半~30歳に多いとされ、うつ病の発症年齢より若いとされます。

また、うつ病の発症は女性が男性の2倍であるのに対し、双極性障害では男女差はほとんど見られません。

うつ病になりやすい人は「几帳面・生真面目・責任感が強い・秩序を重視する・他人に配慮し過ぎる・融通が効かなくて頑固」が多いとされますが、双極性障害は「社交的で明るい・温厚で人当たりが良い・誠実で真面目・他人の世話を焼く・優しくて共感性が高い」とされ、病前性格に大きな違いがあります。

双極性障害と自殺

双極性障害は、極めて自殺率が高い精神疾患です。精神障害の中で最も高いという報告もあり、ある調査では、患者の5人に1人が自殺で亡くなっているとのことです。

その理由として、
・再発率が高い
・「躁」状態のときに、常識では考えられない行動をとるため、深刻なトラブルを起こす
・「躁」から「うつ」に転じたタイミングに、自分を責めて自己破壊的な行動を起こす

などがあげられます。

症状が改善されたと思っても、自分の判断で服薬を中断したりせず、医師の指示に従いましょう。

双極性障害の原因は?

双極性障害の原因は、まだはっきりと解明されていません

遺伝的要素が考えられますが、一つの遺伝子で起こる遺伝病ではなく、いくつかの遺伝子が組み合わさって発症すると考えられます。その理由は、遺伝子が基本的に同じである一卵性双生児と、遺伝子を半分だけ共有している二卵性双生児で、双極性障害発症の一致率を比較した結果、一卵性双生児の方が高いですが、決して100%ではないからです。したがって、双極性障害の発症に遺伝的要素は関係していますが、それだけで発症する病気ではないと考えられます。

環境的要素も発症の要因の一つと考えられますが、どの様な過程を経て発症につながるかは分かっていません。

病前性格を調査した報告では、「社交的で、周囲に対して心配りができ、ユーモアがあり、現実的な志向性が強い性格の人が多い」とも言われます。

こういった発症の危険因子が複雑に関係し、過度のストレスや生活リズムの乱れがきっかけとなって双極性障害を発症すると考えられます。

また双極性障害は、「うつ」から始まることが多いと言われます。「うつ」だけを数回繰り返したのちに、突然「躁」になるタイプがあり、「うつ病」と思っていても、実は双極性障害だったということも多いです。

双極性障害に移行した「うつ」症状の特徴として次のことが挙げられます。

・「うつ」の発症が急性(急激に「うつ」に入ってしまう)
・「うつ」の状態が比較的重症
・「うつ」が幻覚・妄想などの精神病症状を伴ってスタートする

双極性障害の治療はうつ病より難しいとされています。また常識では考えられない行動をとるため、トラブルを繰り返して社会的損失や人間関係破綻を引き起こしがちです。症状を安定させるため、早めに専門医に診てもらいましょう。

双極性障害ってどんな病気?

かつては「躁うつ病」と呼ばれた、躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患のこと。

誰でも気分が高ぶったり、落ち込んだりすることはありますが、時間の経過で治まります。しかし、双極性障害は、自分の意思とは無縁に、躁状態・うつ状態を、次々に繰り返して行きます。

まず、躁状態について。

A. 気分が良すぎる、ハイになりすぎる、興奮する、怒り出す
・自分が偉くなったように感じる
・眠らなくても、元気なまま過ごせる
・普段よりお喋りになる
・次々とアイディア・考えが頭に浮かぶ
・注意力が散漫しやすい
・活動的になり、じっとしていられない
・散財、性的逸脱、バカげた投資などの逸脱行為が顕著

上記で、Aを含み4つ以上みられる状態が1週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じることが躁状態。

類似として、社会活動・人間関係に支障を来たさない程度の躁状態を「軽躁状態」と呼ぶ。躁状態が強ければ「双極Ⅰ型障害」、軽ければ(軽躁状態であれば)「双極Ⅱ型障害」に分類される。

次に、うつ状態について。

1.一日中憂鬱で、気分が晴れない
2.すべてに興味を失い、楽しめなくなる
3.食欲が減少(or増加)したり、体重が減少(or増加)する
4.寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚める、寝すぎる
5.話し方や動作が鈍くなる
6.自分には価値がないと思う
7.疲れやすく感じ、無気力になる
8.集中できない、決断できない
9.死にたいと切実に思う

上記の症状で、1または2を含み5つ以上みられる状態が2週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じることをうつ状態と呼ぶ。

深刻なトラブルを引き起こすのは、「うつ状態」より「躁状態」のときです。

躁状態では、気分がハイになり、毎日が楽しく、エネルギッシュになり、活動的になります。しかし、怒りやすく、集中力も欠け、暴力的になります。

具体的には以下のようなことが起こります。

・高価なものや必要ないものを買いまくる→自己破産
・(相手の都合を考えず)夜中に電話をかけまくる→友人がいなくなる
・理性のタガがはずれ、攻撃的になる(飲酒運転やスピード違反など)→犯罪
・寝ないで動き回る→体を壊し、他の病気を併発
・無計画な仕事、大言壮語(相手をバカにした態度をとる)→解雇され職を失う
・家族を振り回す→別居や離婚。

周囲の人は、早めに専門医を受診させ、早期に治療させましょう。

統合失調症になって気を付けることは?

統合失調症になった人が、注意すべきことを簡単に列挙しました。一般的なことばかりですが、ご参考までに。

    やった方がいいこと

  • 幻聴(声)とうまく付き合う(※注1)
  • 規則正しい生活
  • 栄養バランスの取れた食事
  • 定期的な運動
  • 統合失調症と薬物療法について学ぶ
  • 医師と話し合う
  • 軽い症状の表れに注意する
  • 創作活動
  • 自助グループに参加

    やっちゃいけないこと

  • 勝手に減薬・服薬を中断
  • ストレスがかかること全般
  • 他人と口論する
  • 生活費についてひとりで悩む
  • 人からの援助やアドバイスを受けない
  • 煙草は吸わない方が望ましい
  • 麻薬などの薬物は絶対ダメ!

(※注1)幻聴はあなたに危害を加えることは出来ません。
    幻聴はあなたがしたくないことをさせる力はありません。
    気になるようでしたら、音楽でも聞いてリラックスしましょう。

統合失調症のお薬は?/補助的に用いるお薬は?

統合失調症に用いる薬は、抗精神病薬が主になります。しかし症状に応じて、以下の薬を補助的に用いることもあります。

睡眠薬
不眠が続いたり、生活リズムが不規則になると、統合失調症は再発しやすくなります。良質な睡眠を得るために、睡眠薬を用いることもあります。

ちなみに睡眠薬の中でマイスリーだけは、統合失調症に適応がありません。なぜマイスリーだけ効果を得られないのかは不明ですが、保険診療上マイスリーは統合失調症には使用できませんので、他の睡眠薬を使用して下さい。

抗不安薬
抗不安薬は、文字通り不安や焦りを抑える薬です。統合失調症においては、錐体外路症状などの神経症状緩和に用いられることもあります。

抗不安薬も安易に投与すべきではありませんが、抗精神病薬だけではどうしても落ち着かない場合や、錐体外路症状がひどい場合には用いられることがあります。

抗うつ剤
統合失調症の陰性症状に対して、時に抗うつ剤が用いられることがあります。

しかしうつ病と陰性症状は同じ機序で生じているものではなく、抗うつ剤は本来はうつ病や不安障害に用いる薬であり、その適応は慎重に判断する必要があります。

抗コリン薬
抗コリン薬は元々パーキンソン病に対する治療薬であり、アセチルコリンという物質のはたらきを弱めることで相対的にドーパミンの働きを強めます。

統合失調症においては、抗精神病薬によってドーパミンがブロックされすぎて錐体外路症状の副作用が出てしまった時、副作用の緩和のために用いられます。

しかし薬の副作用を薬で解決する方法は本来望ましいものではなく、抗コリン薬にも副作用があるため、やむを得ないケースに限って使用すべきです。

抗コリン薬を使いすぎると認知機能低下が生じ、認知症を発症するリスクが高まることも報告されています。