月別アーカイブ: 7月 2014

統合失調症はどんな治療をするの?

統合失調症の治療は、薬物療法が基本です。脳の神経伝達物質による機能異常が、さまざまな症状を引き起こすことが分かっており、その機能異常を調節し、症状を緩和させるために服薬は欠かせません。

過剰な興奮を鎮める抗精神病薬を中心に、不安や緊張をやわらげる抗不安薬や、うつ気分を改善させる抗うつ薬なども補助的に用います。

症状が重いときは入院を勧められることもありますが、多くの場合、通院治療です。

統合失調症は服薬をやめると再発したり、症状が悪化する傾向にあります。症状がよくなってきたからと言って、自分の判断で減薬したり、服薬を中断するのは危険です。

服薬を中断する理由の多くが副作用ですが、副作用の対処法は十分研究されていますから、薬の切り替えなどを医師に相談しましょう。

症状が安定すれば、リハビリテーションを行っていきます。病気によって失われた社会生活機能の回復を図るためです。

幻聴・妄想といった陽性症状を薬物療法により抑え、生活意欲の低下といった陰性症状をリハビリテーションにより回復させることが、統合失調症の治療法になります。

統合失調症はどんなサインで気付くの?

統合失調症とは、精神機能ネットワークにエラーが生じ、脳内の統合機能が損なわれている状態を言います。

何らかの原因で情報や感覚に過敏になり、脳が対応出来なくなった結果、さまざまな症状があらわれ、生活に支障をきたします。

特徴的なサインは大きく分けて2つ、陽性症状陰性症状です。

陽性症状とは、「プラスの症状」。健康な時になかったサインが加わります。

陰性症状とは「マイナスの症状」。これまであったものが失われます。

短期間で消えることが多いですが、一定期間以上続いた場合、統合失調症の始まりが考えられます。早めに専門家に相談しましょう。


<陽性症状>

幻覚
実在しないものを見る。実在しない音や声を聞く。実在しない存在を肌で感じるなど。最も多いのは、まぼろしの声を聴く「幻聴」。声は1人・複数とさまざまだが、その人の行動に文句を言ったり、「死ね」と脅したりする。悪魔・幽霊など実在しない存在が目に浮かぶ「幻視」、実在しない臭いや味を感じる「幻臭」「幻味」もある。
妄想
状況から見て間違っていても、自分では訂正できない強い思い込みのこと。周囲の人が自分をバカにしたり、いじめていると思い込む「被害妄想」。テレビで放映されたり、ネットに書かれていることを自分だと思い込む「関係妄想」。自分には世界を支配する力があると信じ込む「誇大妄想」。警察が24時間自分を尾行していると思い込む「追跡妄想」など。内容は人によってさまざまである。
会話や行動の混乱
頭の中で考えをまとめ、話す・書くことが困難になる。話のピントがずれる、一つの話題から関係のない話題へ話が飛ぶ、会話が支離滅裂になる、相手の話のポイントや考えがつかめない、など。
<陰性症状>

感情の障害
感情の起伏が乏しくなり、喜怒哀楽を表すことが減る。他人の感情や表情についての理解が苦手になる。
意欲の障害
生活全般に対する意欲が低下する。仕事や勉強の意欲が出ずゴロゴロしてしまう。入浴や洗面など身だしなみに構わなくなる。家族や友達を避けて引きこもる。

統合失調症が発症しやすい年齢は?/男女差はあるの?

虹

統合失調症は、有病率1%、100人に1人がかかる、こころの病です。

同じくらいの有病率の病気としては喘息があり、決して珍しい病気ではありません。

下表は、統合失調症患者が初めて発症した時の年齢と全体における割合を男女別に示したものです。

年齢 男性 女性
12~14 10% 10%
15~19 25% 18%
20~24 27% 21%
25~29 18% 20%
30~34 10% 10%
35~39 8% 9%
40~44 1% 6%
45~49 1% 9%
50~54 2% 1%
55~59 1% 1%

発症年齢は思春期後半から青年期にかけてが多く、男性の発症年齢が低い傾向にあります。14歳以前や30歳以上で発症する方は少ないです。

女性は、晩発性といわれる40歳過ぎで発症する方が男性よりも多く、出産後に発症する方もいらっしゃいます。

このように男性と女性で発症時期に若干の違いはありますが、全体で男女の患者数に違いはありません。